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76歳で画家デビュー!グランマ・モーゼスが教えてくれる、セカンドライフの楽しむ秘訣

もうすぐ50歳だし、そろそろ定年後に何をするか考えないと、と思っている方もいるでのは?

定年後は何もしないでのんびり過ごす、というのもステキですが、長い人生、せっかくなら何か夢や希望を持って定年後を過ごしてみませんか?

今回は、「何歳になっても夢は見られる」ことを教えてくれる、アメリカの人気画家、グランマ・モーゼスを紹介します。

グランマ・モーゼスってどんな人?

グランマ・モーゼスはアメリカの女性画家です。アメリカでは知らない人はいない、といわれるほどの人気画家です。

そんなグランマ・モーゼスですが、絵を始めたのは、なんと76歳の時。

それから101歳で亡くなるまでに約1,600点の絵画を描きました。

グランマ・モーゼスは「モーゼスおばあちゃん」という意味の愛称で、本名はアンナ・メアリー・ロバートソン・モーゼス(英語: Anna Mary Robertson Moses)。

少し長い名前ですので、この記事では「グランマ」と呼ぶことにしたいと思います。

グランマが76歳で絵を始めるまでの経歴を、簡単にまとめてみました。

1860年、グランマはアメリカ・ニューヨーク州グリニッジの貧しい農家で生まれました。

グランマ・モーゼス
Wikipediaより

グランマは10人きょうだいの上から3番目。

12歳の時、お手伝いとして近所の農家で働き始めます。

実家が貧しかったので、まだ幼い頃から自分で生計を立てる必要があったのです。

1887年(27歳)に、同じ農場で働いていたトーマス・サーモン・モーゼスと結婚。

その後、ヴァージニア州に移住して農業を営み、45歳のときにニューヨーク州に戻りました。

1927年(66歳)に夫が死去、バーモント州ベニントンへ移り住みます。

76歳の時、妹のすすめで本格的に絵を始めました。

当時、グランマは慢性のリューマチで手が動かしづらくなっていました。そこで、妹がリハビリとして、筆で絵を描くことを提案したのです。

グランマ、は亡くなった夫が使っていたペンキとハケを使ってペンキ絵を描き始めます。

幼い頃から苦労していたことが分かりますね。生涯の多くの時間を農園で過ごし、それが作風に影響しているといわれています。

グランマの絵が人気になるまで

76歳の時に絵を始めたグランマですが、人気になるまでにはそう長い時間はかかりませんでした。

1938年(78歳)、あるコレクターが、ドラッグストアに飾られていたグランマの絵に注目したのです。

彼はグランマの絵をとても気に入り、その場にあったグランマの絵をすべて買い取るほどでした。

彼はグランマの絵を飾る画廊を求めてニューヨーク中を探し回ります。

その努力が実を結び、1940年、グランマが80歳になった時、初の画廊が開かれました。ここで多くの人がグランマの絵に魅了されました。

グランマは一躍、時の人になります。

さらに、ニューヨークの百貨店でも作品展が開催され、彼女の人気はますます高まりました。

その人気はやがて大統領も注目するほどになり、1949年(89歳)には当時のトルーマン大統領に、ホワイトハウス(大領領官邸)に招待されました。

1956年(96歳)にはアイゼンハワー大統領からの依頼に応えて絵を描き、大統領を喜ばせたそうです。

1960年(100歳)にはニューヨーク州の知事がグランマの誕生日を「グランマ・モーゼスの日」と制定しました。

その翌年、グランマは101歳で亡くなります。療養中のベッドの上でも、「家に戻ったらまた絵を描き始めなきゃ」とつぶやいていました。

グランマにとって、絵はなくてはならないものだったのですね。

グランマの絵の魅力

グランマの絵は、どうしてアメリカ中の人々を魅了したのでしょうか。

それは、画面の中の優しい雰囲気にあると思います。

グランマは、田園ののんびりとした風景を多く描きました。

グランマの絵の中の人物は、独特のかわいさを備えています。

たとえば、目が黒くて短い線だけで表現されていたり、肩が少し張っていたり。こどもがむじゃきに描いたような感じです。

観る人は自分がかつて描いたようなかわいらしいタッチを見て、懐かしさを感じるのではないでしょうか。

グランマの絵を何点か見て「自分の小さい頃を思い出してほっこりした」という人も少なくないようです。

こうしたところが、グランマの絵の魅力だと思います。

グランマの作品を見るには?

日本でグランマの絵を見ることができる場所はあまり多くありませんが、東京にある「損保ジャパン日本興亜美術館」では4点の作品が展示されています。(2019/03/29現在)。

住所:
〒160-8338 東京都新宿区西新宿1-26-1 損保ジャパン日本興亜本社ビル42階

電話:
03-5777-8600(ハローダイヤル:美術館利用案内)

観覧料:
展覧会により異なります。ホームページ(https://www.sjnk-museum.org/)から展覧会の情報を確認してください。

開館時間:
午前10時から午後6時まで(入館は閉館30分前まで)

休館日:
月曜日(祝日・振替休日の場合は開館)、展示替期間、年末年始

アクセス:
JR「新宿駅」西口、丸ノ内線「新宿駅」・「西新宿駅」、大江戸線「新宿西口駅」より徒歩5分。

まとめ

グランマ・モーゼスについて紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

グランマが私たちに教えてくれるのは、「何歳になっても夢は見られる」ということ。

何歳になっても夢を持ち続ければ、人生はきっと豊かになるはずです。

みなさんも希望を持って、定年後のセカンドライフをどう過ごすか、じっくり考えてみてください。