趣味

50歳にして本気で作家を目指してみる。

「50歳になって、何を言ってるんだかなあ」とあきれられそうですが、私、本気で作家を目指してみたいと思っています。

いえ、正確に言うなら、本気で作家を目指すことに決めました。
そう覚悟を決めたわけです。
しかし、本業、つまり生活の糧を稼ぐための仕事を辞めるわけではありません。
家は賃貸ですし、養うべき家族もありますので、仕事を続けながら作家を目指します。

仕事の効率を上げて、空き時間をひねり出し、その時間を作家を目指すための活動に当てようという計画です。
すでに数ヶ月ほど前から、いくつかのことを始めました。

 

作家になるためにするべき5つのこと。

1.とにかく何か書き始める。

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1つは、自分の作品を書くということです。

数ヶ月前から、短編小説をコツコツと書き始めています。

いつ書いているかというと、外出時の移動時間、特に電車の中の移動中に書いています。
サラリーマンではないため、日によって出掛ける先はまちまち。片道1時間以上のこともあれば、30分くらいのときもあります。乗換が2回、3回も発生することもありますが、5分、10分という時間を見つけてはちまちまと書いています。

利用しているツールはiPhoneです。スマホなら立ったままでも片手で操作できるので非常に重宝しています。
1日にわずか2〜3行くらいしか進まないときもありますが「塵も積もれば山となる」とは本当のことで、現在、原稿用紙にすると30枚くらいのボリュームになっています。

電車通勤している方は、毎日ほぼ確定した自分の時間が持てると思います。
行きは執筆、帰りは睡眠。それだけでも毎日続ければ、数ヶ月から1年くらいで一冊の本を仕上げることは可能だと思います。
実際に、毎日の通勤時間中にスマホ執筆でデビューした作家もいます。

2.思いついたアイデアは、断片でもいいのでメモしておく。

2つめはメモの勧めです。
アイデアとは「思いつき」です。
物語全体のプロットがパッと思いつけばいいのですが、なかなかそういうことはありません。思いつくのはワンシーンだったり、アイデアと呼べるほどのものでない「アイデアの種」だったりしますが、とにかく何でもメモするように心がけています。
昔は、B6サイズのメモ帳に手書きで殴り書きしていましたが、「字が汚くて判読不能」「どこに何をメモしたのかを忘れ、そのまま放置」ということがしばしばでした。

最近は、もっぱらiPhoneを中心に、iPad、Macを活用しています。

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アイデア専用のファイルをつくり、そこにせっせとアイデアを書き貯めています。
もしかしたら、一生使わないアイデアもあるかもしれませんが、いつか他のアイデアと組み合わさって、小説の骨子をなすようなアイデアが生まるかもしれません。

3.たくさんの本を読み、読書量を増やす。

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文章を上達させる方法として、昔から言われ続けていることですが、今改めて本を読むよう努めています。
あるプロの小説家は、「デビューするまでは、年間1,000冊くらいは読まないとね」と言っていました。かなりハイスピードで読まなければ、1日に2〜3冊を読破するのは難しそうです。
私は気に入った小説をじっくりと読んで楽しむタイプなので、早くても1冊読破するのに2〜3日はかかってしまいます。

では、なぜたくさんの本を読む必要があるのか。

それは、文章表現やプロット、その他さまざまなことが学べるからです。
ある意味、出版された本こそが、作家を目指す人にとっての師なのです。

また、数多くの本を読むことで、使い古されたネタ、よくあるパターンなどを知ることができます。

着眼点や構成などが学べると同時に、既に使われたアイデアを避けることも可能になります。

ちなみに、かの文豪芥川龍之介は、古典作品を原型にした作品を多く著したことでも有名です。
「羅生門」「鼻」「藪の中」は、古典作品の盗作とか、パクリなどと言われることがありますが、ヒントを得て独自の新しい作品を生み出しています。

「アイデアは、既存の要素の組み合わせ」と言われるように、新しいアイデアはすでにあるものを掛け合わせて生まれることが多々あります。

このような理由から、たくさんの本を読んでおくことは、作家を目指す自分にって必要不可な行為として常に何らかの本を読むように習慣づけています。
年間1,000冊は難しくても、100冊くらいは目標にしようと思っています。

4.お気に入りの作家の作品をひたすら書き写す

文学系の新人賞を受賞してデビューした作家のインタビュー記事を読むとに、ときどき出くわすことがある練習方法の1つです。

これまでに複数の作家が「プロの作品の書き写しをした」と経験があると語っていましたし、大御所の作家が作家を目指す人に対して「ぜひ、やるべきだ」と言っていたと記憶しています。
その大御所作家は、書き写した方がいいという短編小説のタイトルを具体的に挙げていました。
短編の名手と言われている女流作家の作品す。
私は素直にそれに従い、まず短編を読み、それを書き写す作業に移りました。
しかし、これが続かないのです。頑張ってみたのですが、途中で止めてしまいました。

なぜ、続かなかったのか。

それは、その短編が私にとって面白くなかったからです。
世間的には評価の高い作品なのですが、私の好みに合わなかったのです。

だから、書き写してもまったく面白くないわけで・・・。
それ以来、書き写しはやっていませんでした。

しかし、つい最近になって再び書き写しに挑戦しています。
選んだのは、私が大好きな作家の短編集です。
直木賞作家であり、多くのファンを持つ作家です。
好きな作家の作品は、自分で購入して蔵書にし、何度も読んでいます。

繰り返し読みたくなる本。
何度読んでも飽きない本。
大好きな作家の作品。

それなら、書き写しも続くだろうと始めると、しっかりと続いています。
そもそも書き写すことで、何が身につくのか。

書き写すことで、普段の自分では書き得ない表現方法を学べます。
また、物語の構成、流れを深く理解することができるようになります。
それにも増して興味深いのは、作家の考え方がわかるようになることです。
書き写しに熱中すると、まるで自分がその作家になったかのような感覚──憑依現象?のようなものが起こるのです。

「作家になるために、最も近道になる練習方法」かもしれない、そんなふうにと思うようになりました。

「書き写しをしたら、その作家の真似にしかならず、オリジナルの作品づくりに役立たないのでは?」

そんなふうに考えていた時期もありましたが、それはまったくのデタラメでした。
実際にやってみればわかりますし、作家の真似を回避する方法は、いくらでもあります。

特定の作家の真似にならないようにする手っ取り早い方法は、複数の作家の作品を書き写すこと。
既存のものの組み合わせにより、まったく新しい独自のものが誕生します。

作家の作品を書き写すことは、書道で言えばお手本を見て字を練習する行為であり、小説の書き方の基本を身につける練習です。

応用は、基本がベースにあってこそ。
基本を知って入れいれば、型を崩し、型破りな小説を書くことも可能になると思います。
そもそも型を知らなければ、型破りはできません。

好きな作家の好きな作品を書き写す。
作品の面白さを改めて実感することができますし、とても役立つ練習方法なので、作家デビューを目指す方は、試しにやってみてください。

5.人に読んでもらい、評価してもらう

10年以上も前のことですが、一度カミさんに私が書いた作品を読んでもらったことがあります。
そときは、大喧嘩になりました。

「何これ!? ぜんぜん小説になってないじゃん」
「こんな文体なんて論外。まったくダメ」
「少しも読む気がしない」
と、カミさんはわずか数行読んだだけで、烈火の如く怒り狂ったのです。

当時の私は人の意見を聞き入れることができませんでした。
自分で「これは面白いぞ」と思って書いていますので、1ページしか読まずに批判されるのは、とても心外でした。

今ははっきりと自覚することができますが、当時は完全に自己陶酔していたのです。

しかし、作家は人に読んでもらってナンボの商売。読者がいてはじめて成り立つ職業です。
私以上に読書好きのカミさんを満足させられない作品が、世間に認められるわけがありません。

これからは、どんな批判も受け入れる覚悟で、カミさんに読んでもらおうかと・・・。
完全に覚悟ができたわけではありませんが、いずれお願いしようと思っています。(予定…)
私的な話でしたが、とにかく私自身の「50歳から作家を目指すプロジェクト」は始動したわけです。

どうぞ温かい目で見守ってやってくださいませ。