50代からはじめる趣味としておススメしたいは、読書です。
…もっと意外性のあるものを期待していましたか?
履歴書の趣味欄に何を書こうかと悩んだ結果「無難だから読書にしておこう」と書いたことがあるかもしれませんね。そのくらい「趣味:読書」はありきたりな印象があるし、「本ぐらい誰でも読むんだから、趣味にならないだろう」と思われるかもしれません。
それでもやっぱり読書をおススメする、その理由を説明します。
人生100年時代、学ぶことをやめないほうがいい
2007年に日本で生まれた子供の半数が107歳より長く生きるといわれています。人生100年時代がやってくるのです。
昭和の時代までは、日本人の人生はだいたい3つの時期に分けられていました。勉強をする学生時代、そのあと働いてお給料をもらう社会人時代、最後に引退してのんびりとすごす老後、という3つです。
しかし2021年現在、すでにそんな時代ではありません。リストラで社会人時代が急に終わってしまうかもしれないし、年金がもらえる年齢がだんだんと引き上げられているし、寿命がのびて年金だけでは足りないかもしれないし、「学生時代/社会人時代/引退後」という人生を送ること自体が難しいのです。
だとすれば、これからの日本人の人生はどんなふうになっていくのでしょうか。
人生100年時代の生き方を提案するリンダ・グラットン氏によれば、これからの人生はマルチステージ化するといいます。つまり、会社勤めしながらなにかを学んだり、会社をやめていったん学生に戻ったり、会社を引退したあとに再び学んで社会に戻ってくるといった人が増えていくだろうということです。
これからの生き方では、一生にわたって何かを学ぶこと、学ぼうとする気持ちがカギになっていきそうです。
人生を豊かにするのは、多彩な経験
ところで、人は何のために趣味を探すのでしょうか?
なんとなく気になることに出会って、やってみたら好きになって、続けているうちに趣味になった、という人もいるでしょう。一方で、「何か趣味を持ちたいな」と思ってわざわざ趣味を探すという人も少なくないでしょう。このとき、人は趣味に何を求めているのでしょうか。なぜ、趣味を持ちたいと思うのでしょうか。
大人が趣味を持ちたいというとき、すべての時間を家族のため、仕事のために使うのはイマイチだという価値観がありそうです。家族や仕事に不満があってもなくても、もっと他の何か、もっと違う何かを探してみたいと思っているのではないでしょうか。
もちろん仕事一筋という生き方も素晴らしいですし、それに憧れる気持ちもあるでしょう。だけど多くの場合、なかなか一筋とはいきません。仕事だけではなく旅行にも行ってみたい、美味しいものも食べてみたい、素敵な服を着たい、便利なものが欲しい。
あふれるモノと情報に囲まれていると、たくさんの「~したい」という気持ちが生まれてくるのは自然なことです。「~したい」という気持ちはつまり、いろいろな経験をしてみたいということです。なにかにとらわれて縛られた人生ではなく、さまざまな経験を積み重ねた人生を送りたいのです。趣味が欲しいという人は、趣味をつうじた経験が欲しいと思っているのです。
だからこそ、趣味としての読書をおススメしたいのです。
読書をつうじて経験を重ねる
読書によって得られるものはたくさんあります。
小説を読めば、誰かの人生を疑似体験することができます。
それがアメリカの西部開拓時代の小説であったとしても、火星を舞台にしたSF小説であったとしても、誰かの日常生活あるいは大事件を、疑似的に経験することができます。
ノンフィクションであれば、世界のどこかで実際に起きている何かを知ることができます。啓発本であれば、筆者が論理だてて考えたことを知ることができます。
何かを知るということ自体が経験でもあるし、何かを知ったとき考えたことがそのあとの自分の行動につながるかもしれません。
もっと詳しく知りたくて学びたくなるかもしれないし、何かを実際にマネしてみたくなるかもしれません。つまり読書に促されて、新たな経験をするかもしれないのです。
そしてなにより、50代になってからの読書は若いころとは違います。自分の人生で実際に経験したことが、本の中の経験とときには重なりあい、ときには反発します。若いころに読んだ本を読み返してみれば、若いころの自分と今の自分とが反発するかもしれません。つまり本の中の経験が、自分の過去の経験とともに今の自分に再度経験されるのです。これは、年齢を重ねた人にだけできる読書だと思います。
まとめ
とはいえ、基本的に読書はインプットです。せっかくだから、アウトプットもセットで趣味にしてみるのはどうでしょうか。読書記録をつけたり、家族に感想を話すのもアウトプットです。FacebookやTwitterなどのSNSで感想をアップするのもいいですし、読書会といってみんなで同じ本を読んで語り合う会もあります。
人生を豊かにする読書という趣味、見直してみませんか。